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#33

この物語は「東方」と「岡崎朋也(CLANNAD)」のクロスオーバー作品です
原作とは異なるキャラクタの性格や設定が含まれています

まとめ:http://bslb.blog25.fc2.com/blog-category-21.html
第一話:http://bslb.blog25.fc2.com/blog-entry-294.html
↓から書き方を少し変更
守矢編:http://bslb.blog25.fc2.com/blog-entry-329.html
#33「小さな宴会―前編」


寒さが緩んできた頃、博麗神社で小さな宴会が開かれた
今年は春が来るのが遅いから、こちらから呼ぶとのことらしい

この宴会でも朋也は注目の的だった
ついこの前までは新参者で、しかも来訪者である人間が異変を解決したと噂されているのだ
"退屈"を嫌う者たちの格好の獲物となるのは当然のことだった


「あの時は世話になった ありがとう」
里の守護者―慧音は朋也に礼を言った
「それは早苗さんや霊夢に言ってくれ
 俺は大したことはやってないさ」
朋也はその礼に困ったような顔で答える

慧音とは先の事件で一度会っていた
妖怪が攻めてきたなら里を"隠せば"いい
だが、この守護者も川の氾濫には太刀打ちできなかったのだ
「謙遜する必要はないぞ?キミが解決の一端を担ったことは早苗も言ってるんだ
 ―また里に来ることがあったら、家に寄ってくれ」
「あぁ、そのときはよろしく」


「いや~お兄さんはすごい人だったんですね~」
オレンジの髪の妖精―サニーミルクが朋也にのしかかってきた
「な、何だ?…酔っぱらってるのか」
その顔を振り向いて見てみると、明らかに上気していた
「聞いたわよ~異変を解決したって」
今度は正面からルナチャイルドが絡んできた―こちらも顔が赤くなっている
身体の小さい妖精である彼女たちにそうされても重くはないが、身動きが取れなくなってしまう
「通りで私の能力が効かなかったわけだぁ!」
サニーが頭の上で大笑いし、ルナが正面から質問攻めにしていた
もう一人いたような気がして周りを見ると、少し離れたところにスターサファイアがいた
スターは二人を他所に、静かに飲んでいた―その分、かなりの量になっているように見えたが…


「あら、何か聞きたそうね?」
朋也が近付くと、こちらを振り向きもせずに紫が言った
気配だけで分かるようなものなのかと気になったが、一先ずその疑問は捨てておくことにした
「―その二人は?」
紫のそばに、初めて見る二人がいた
一人は狐の尾と思われるそれが目立つ女性
もう一人は小さな、猫のような少女だ
「私の式の藍と、藍の式の橙よ」
「初めまして、朋也さん」
「…はじめまして」
紫がそう紹介すると、二人が簡単に挨拶をした
―橙と呼ばれた少女の方は会釈をすると、藍の背中に隠れてしまったが
「よろしくな」
朋也はできるだけの笑顔で返してみる
―それでも、橙は藍の陰に隠れながら朋也を見ていた
「橙?どうしたんだい?」
「……………」
藍が優しく声をかけるが、橙は藍の服を掴んだまま動かなかった
怯えているようには見えないが、かといって近付ける雰囲気でもなかった

「…俺 何かしたか?」
「橙にとって、初めて見る男性だから緊張してるんじゃないかしら?」
ほとんど聞こえないであろう声量で呟いたが、紫には聞こえていたらしい
そして橙の方を見ると、コクコクと首を縦に振っていた
なるほど、それならば仕方ないと納得した―確かにこの宴会でも男性の姿を見たことはない
「すみません 橙が失礼なことを…」
「いや、気にしてないから」
その様子を見た藍が謝ってきたが、軽く返しておいた
この程度ことを、わざわざ咎める必要もないだろう

「それで―」
朋也が紫の方へ向き直り、声をかける
すると、その言葉を言い切らぬうちに返答が出された
「まだ焦る段階ではないわ
 今は確実に力をつけなさい―戦う力も、絆の力もね」
聞こうと思っていたことがその言葉に集約されていた
朋也は礼を言って立ち去ろうとしたが、その背中から声が聞こえた
「宵闇に浮かぶ紅き月、その悲愴を止めるは愛と知れ」
驚いて振り返るが、紫はこちらを向いてはいなかった
つまり、これは彼女なりの"ヒント"なのだろう
その言葉を胸にしまい、こちらを呼んでいる魔理沙のもとへ歩を進めた


「これが私の視た未来―あなたはどう動くかしら?」
まだ冷たさの残る風が金色の髪を揺らした


続く?
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2010.03.15 Mon l 朋也と幻想郷 l COM(0) TB(0) l top ▲

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